百万人の大合唱は、秋吉茂氏の原作。秋吉氏の有名な著書に「美女とネズミと神々の島」がある。昭和30年代の悪石島を1ヶ月にわたって現地ルポした。題名の「美女」は、いまでいう美少女が多い島。「神々」とは、信仰心の強さから、貧しい生活を切り詰め神を優先する島民。そして、気になるのが、ネズミ。
私は、昭和29年生まれ。ルポに出てくる少年少女と同年代、茨城県北の炭鉱町で育った。まわりの町からは「チロリン村」と云われていた。山神様という神社があった。山の中腹に安全第一の大看板、しかしそれでも、数年に一度の落盤事故を神様は許した。
遠い遠い海を集団で渡ってくるネズミに島民は恐れを感じていたのだろう。大きなネズミが、罠に掛かったら大変で、ネンシババが祈祷する。
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霧ばえがふいて、 アワやキビの草とりに行けない。 山にたき木や、竹の子とりにも行けない。 麦もかれない。せっかくみのったのに。 ことしも、麦はたべられない。 このまま 霧ばえがつづいて、 トビウオとりも出来なくなったら、 わたしたちは、どうなるのだろうか。 わたしは、このごろ人間ががいやになった。 ガヤスになりたい。 ガヤスになりたい。 ネズミさまはのぞめなくても。 (当時中学三年 肥後房子さんの詩) |
(ガヤスは、カラスの意)
悲し過ぎる。目頭が熱くなった。そして、私に勇気を与えてくれた。
我が心に誓う。月に一度でも、心傲るとき、酒を飲むとき、一家団らんのときに、「米のめしを食いたい」といったこどもたちのことばを、つつましく思いおこそう・・・ 昭和39年3月17日 秋吉 茂
と結んでいる。
東京オリンピックの半年前のことである。